2月から約一週間、店を休業にした。
理由は二度目の緊急事態宣言が出てからやる気が失せてしまったことが大きい。
もちろん店は毎日開けてた方が赤字になる可能性が低くなるので、そのほうがよかったわけだけど、閑散としてる店内で時間が過ぎるのを待つのは精神的にかなりやばい。
宣言が出て一週間でまず休業フラグが立ち、二週間目は「なんのためにこの時間を奪われるのか」という怒りの気持ちが強くなり、三週間後に決意した。
これは他の店の店主もブログで書いてるので、特に自分だけが抱いてる感情ではないらしい。
もっとも、どのみち2月は無収入になるのが確定している。ので、家賃を払うためだけに一ヶ月タダ働きするくらいなら一週間休んでしまえとなった。
実際、その月の固定費が補えるだけ稼働してあとはそそくさと休業にする店も多い。
自分の業態が居酒屋なら延長された3月7日までスッパリ営業自粛するだろう。
発生する支出が家賃だけならおとなしくしてたほうが費用対効果は高く、ちかく発生する協力金で十分補える。
でもうちは業態が違うので、それについては不確定要素が大きく現段階ではアテにできない。
まぁ一息ついて思うことはこのご時世、というより先進国でタダ働きなんてのはもう懲り懲りだ。
昔、勤めていた会社でも倒産を理由に給与や残業代を未払いにされて労働審判をやったことがるが、あんなくだらないことに時間を費やすことそのものが無駄だと思われる。
なのでそれ以降、雇用形態の有無に関わらずタダ働きは死ぬまでしないと決めている。
失業している人が多いなか、そんなのは甘ったれの戯言だと言われそうだがそれだけは譲れない。
納得いかないことを無理してやってしまうと、結局そういったストレスが後の自分を言い訳がましくするのはよく知っている。
「あのとき、だから、ああすればよかった」
なんてことは今後の人生では極力減らしたい。
そうしないための唯一の方法は自分で決めたことを貫徹する他ない。
そうすれば誰かのせいにすることもなく自己責任で納得ができる。
どの道、協力金がでなければ存続不可になるのはほぼ確定だろう。
店を守る(実際は大家の延命)というのは、今の人員と稼働を考えてもマイナスが多すぎる。
目下、自分が悩むべきことはコロナだけではない。
それに付随するリモートワークの動向、実家のどうしょうもない状況、自分たちの仕事と生活、少なくとも考えることは多い。
もちろん、それらすべてに割けるリソースはないから、今は自分の生活と店の落とし所しか頭にはない。
続くなら当面はそれでいいし、続かないならどれだけプラスを出して去るか、その二択だろう。
失業保険なんて便利なものもないから、辞めた瞬間から無一文になるのだけは避けたいところ。
店の敷金や補償金が退去費用引いてどれだけ手元に残るか、給付金関連も利用できるものは最大限使わないと失業した後、しばらく続くであろう就職難は乗り越えられないわけだ。
それでなくても最悪マイナスがでなければいいって算段だから難しいだろうけど。
今休業してる多くの店は、もう開くことのないシャッターでつまり廃業だ。
どうせ最後に協力金をもらって辞める算段なのか或いは地主の節税対策や道楽程度の店だろう。
じゃなければ呑気に休業などしてられる心境にはならない。
この一週間、休業していてもただいたずらに時間が過ぎていっただけで、不安を持て余すことが却って多くなった。
こんなことなら開けていたほうがマシだろうとさえ思った。
人は根本的な営み(ふつうに働き生活費を稼げる状況)が瓦解し始めると、暇になったときやろうと思ったことがうまく手に付かない。
つまり、根本的な営みの上に”暇なときにやろう”が成り立ってたわけだ。
よっぽどの資産家なら話は別だが、だいたいの人は一年も仕事をしなければ何らかの歪みが出てくるだろう。
その後の不安が拭えずに、それが今やるべきことの阻害をしてくる。
自分はそこまで不安症ではないけどそれでも心底”面倒だな”と思い始めている。
少なくとも5年以上は今の生活のままガッツリ貯蓄しようと思っていたから、予想外なコロナが訪れて、予想外すぎる飲食店への仕打ちや展開の速さに面食らった感じは否めない。
さて、どうしたものか。
来週から仕事の手応えを見つつ今しばらくは見極めなければならない。
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